投球数から見るセリーグ

投球数からセリーグを見ていくブログです。

セリーグ・先発投球数(6・7月)

今回は6・7月のセリーグの先発の投球数を集計し、まとめていきたいと思います。

先発投手の投球数をまとめる趣旨は、先発投手の酷使を可視化することです。

投手の酷使のうち、近頃は中継ぎの酷使が大きく取り上げられる節がありますが、先発投手の酷使も馬鹿にならないと思っていまして、投球数と故障の関係や、投球数と成績悪化の関係をまとめられればと思っています。

それでは本題へ参りましょう。

下のグラフはセリーグ各球団の先発の投球数を、合計投球数が多い順に並べたものです。

合計投球数の右に平均投球数も載せたので、それも合わせてご覧になっていただければと思います。

またセリーグ全先発の合計投球数と平均投球数のランキングも、下に載せているのでそれもご覧ください。

 

 

・巨人

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 平均
菅野 107球 102球 122球 109球 135球 120球 695球 115.8球
メルセデス 50球 90球 112球 105球 110球 116球 583球 97.1球
桜井 99球 107球   93球 79球 116球 494球 98.8球
戸郷 92球 96球   103球 84球 78球 453球 90.6球
サンチェス 96球 97球 36球 99球 119球   447球 89.4球
田口 91球 83球 32球       206球 68.6球
今村         89球 57球 146球 73球
澤村           62球 62球 62球
          52球 52球 52球

 

6・7月の巨人は、菅野、メルセデス、桜井、戸郷、サンチェスを中心とした先発運用となりました。

巨人の先発陣の中で菅野投手は多くの投球数を投げました。

6・7月の菅野投手は、合計投球数がセリーグ2位、平均投球数がセリーグ3位と、セリーグの中でも多くの投球数を投げている部類です。

野投手は去年故障がちでしたが、再発しないかどうか。

巨人の首脳陣としては元々故障には強い投手だということでこの起用をしていると思いますが大丈夫かどうか。

野投手がシーズンを戦い抜けるか、追ってレポートしていきたいなと考えています。

巨人の首脳陣、菅野以外の投手については大事に扱っている印象です。

 

 

・横浜

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 平均
濱口 133球 88球 120球 107球   103球 96球   647球 107.8球
平良 98球 104球 94球 114球   109球 107球   626球 104.3球
今永 93球 114球 108球 95球   90球 117球   617球 102.8球
大貫   58球   30球 89球 111球 93球   381球 76.2球
井納 96球   102球     89球 85球   372球 93球
ピープルズ 100球 78球       98球     276球 92球
上茶谷             91球 95球 186球 93球
中川     59球 35球         94球 47球
坂本 81球               81球 81球
櫻井   72球             72球 72球

 

6・7月の横浜は、6球団の中で最多の10投手が先発しました。

その中で濱口、平良、今永が中心となりました。

全体的な印象としては、エース級の投手でも大事に扱っている印象があります。

基本的にはどの先発もあまり多くの投球数を投げさせない印象です。

例外として濱口投手がシーズン初登板で133球投げていますが、次の登板で88球で降板させて調整させています。

先発に投げさせないなら、中継ぎにしわ寄せがいってしまうものですが、中継ぎの投球数については、このブログの過去記事をご覧ください。

 

 

阪神

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 平均
西勇 97球 99球 122球 119球 125球 121球   683球 113.8球
ガルシア 79球 107球 91球 95球 98球 80球   550球 91.6球
岩貞 99球 73球 90球 114球 92球 72球   540球 90球
青柳 77球 103球   83球 97球 86球 90球 536球 89.3球
秋山 81球 73球   99球 95球 113球   461球 92.2球
藤浪         106球 115球   221球 110.5球
中田   80球   101球       181球 90.5球
ガンケル 62球             62球 62球

 

6・7月の阪神は、西勇輝、ガルシア、岩貞、青柳、秋山を中心とした先発運用となりました。

西勇輝投手は菅野投手同様に合計投球数と平均投球数、ともにトップ5にランクインしました。

また藤浪投手も2登板ながら平均投球数セリーグ5位となりました。

阪神首脳陣としては、西勇輝投手も藤浪投手もこれだけ投げても故障しないという認識のもとの起用だと思いますが、

それにしても故障しないということは野球選手にとって大正義だなと感じました。

 

 

・広島

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 平均
森下 104球 136球 122球   120球 100球 582球 116.2球
大瀬良 116球 132球 74球 107球 118球 33球 580球 96.6球
九里 118球 97球   95球 103球 87球 500球 100球
K.ジョンソン 100球 95球 109球 96球   95球 495球 99球
遠藤 98球   108球 105球 89球 40球 440球 88球
床田 78球 45球   114球 99球 98球 434球 86.8球
野村         103球 97球 200球 100球
薮田       47球     47球 47球

 

6・7月の広島は、森下、大瀬良、九里、K.ジョンソン、遠藤、床田を中心とした先発運用となりました。

広島先発陣の中で酷使気味に感じた投手は森下投手です。

森下投手は1回登板が飛んだ関係で、合計投球数はランクインしていませんが、平均投球数はセリーグ2位と、平均投球数では菅野や西勇輝以上の数値を出しました。

森下投手はルーキーイヤーですし、ここまで投げさせるのは故障の引き金にならないか心配です。

故障と言えば、大瀬良投手が7月24日の登板でアクシデントで途中降板しました。

このアクシデントは、結果的に1回登板を飛ばすだけで済む軽い故障だったのですが、明らかに開幕初めの2登板連続の完投が影響しているものと思われ、広島首脳陣の采配どうなのかなと思うところあります。

 

参考記事

https://news.yahoo.co.jp/articles/55038c38ba8a281673b92d2544d985bbcd46f646

 

広島の投手運用は中継ぎでもどうなのかなというところがあると思っています。

このことについてはこのブログの過去記事をご参照ください。

 

 

・中日

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 平均
大野雄 83球 111球 124球 103球 118球 103球 128球 770球 110球
梅津 108球 104球 104球 119球 85球 91球   611球 101.8球
岡野 74球 85球 82球 76球 82球 69球   468球 78球
山本 80球 99球 73球 85球 87球     424球 84.8球
120球 118球 121球         358球 119.3球
松葉       86球 91球 94球   271球 90.3球
勝野       70球 55球 83球   208球 69.3球
吉見 65球 75球 60球         200球 66.6球
福谷           81球   81球 81球

 

6・7月の中日は、大野雄大、梅津、岡野、山本を中心とした先発運用となりました。

大野雄大投手は合計投球数セリーグ1位を記録しましたが、大野雄大投手は実は6・7月のセリーグ唯一の7先発でして、中5日や中4日での先発もなしですので、

この1位は巡り合わせであってしょうがないかなと思います。

大野雄大投手は開幕序盤はあまり調子良くなかったですが、しっかり調子を上げてイニングを稼いでる様はさすがだなという印象です。

中日でもう1人注目したい投手がいて、それは柳投手です。

柳投手は3登板ながら平均投球数セリーグ1位となりました。

森下、菅野、西勇輝以上の数値です。

そして案の定7月7日の登板の後、右腹直筋の筋挫傷で登録抹消。

1軍復帰まで1カ月かかりました。

柳投手については平均投球数119球が故障の危険水域なのかなと。

どこまでの投球数を投げさせると故障してしまうかは、それぞれの選手によって変わってくると思いますが、柳投手に関しては119球というのが危険水域なのかなと思いました。

 

参考記事

https://www.chunichi.co.jp/article/86314

 

 

・ヤクルト

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 平均
小川 98球 101球 95球 97球 107球 107球   605球 100.8球
イノーア 85球 73球 73球 86球 81球 74球   472球 78.6球
高梨 105球   97球 100球 92球 45球   439球 87.8球
高橋     100球 106球 89球 108球   403球 100.7球
石川 84球 93球 81球 99球       357球 89.2球
スアレス 85球 100球 78球         263球 87.6球
吉田大喜         65球 98球 89球 252球 84球
        90球 89球   179球 89.5球
山田大 83球 49球           132球 66球

 

6・7月のヤクルトは小川、イノーア、高梨を中心とした先発運用となりました。

ヤクルトの全体的な印象として、横浜と同様にエース級を含めた先発を大事に扱っているなという印象です。

ヤクルトは横浜より徹底していて、110球以上投げた先発ゼロでした。

調子が良くても無理して投げさせない印象。

2019年以前のデータがないので確証は得られませんが、これは高津監督の影響なのかなと思っています。

広島の参考記事で、

広島は一時、黒田くんがメジャーから戻ってきた時、先発は100球程度までという考えが定着した時期がありましたが」

という一節があるのですが、メジャー経験のある選手や監督は先発を大事に扱う考えが自然と身に着くのかもしれません。

同様な先発運用をする横浜のラミレス監督もメジャー流の考えを取り入れる監督ですので、この説は有力かなと思っています。

先発を大事に扱うと中継ぎにしわ寄せがいってしまうと予想できるのですが、実際のところどうなのか、このブログの過去記事をご参照ください。

 

 

セリーグ先発投球数トップ5

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 平均
大野雄 83球 111球 124球 103球 118球 103球 128球 770球 110球
菅野 107球 102球 122球 109球 135球 120球   695球 115.8球
西勇 97球 99球 122球 119球 125球 121球   683球 113.8球
濱口 133球 88球 120球 107球 103球 96球   647球 107.8球
平良 98球 104球 94球 114球 109球 107球   626球 104.3球

 

 

セリーグ先発平均投球数トップ5

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 平均
120球 118球 121球       358球 119.3球
森下 104球 136球 122球   120球 100球 582球 116.2球
菅野 107球 102球 122球 109球 135球 120球 695球 115.8球
西勇 97球 99球 122球 119球 125球 121球 683球 113.8球
藤浪         106球 115球 221球 110.5球

 

 

いかがだったでしょうか。

各チームの先発運用の違いが見れて面白かったと思います。

大きく分けると、巨人、阪神、広島、中日と、横浜、ヤクルトで先発運用の色の違いがあるなと感じました。

巨人、阪神、広島、中日は、エース級の投手や調子の良い投手にその日いけるところまで投げさせますが、

横浜、ヤクルトは、エース級の投手や調子の良い投手でも無理して投げさせません。

この先発運用の違いがシーズン終盤にどう響くのか、見守っていきたいと考えています。

 

次回は6・7月のセリーグ中継ぎ投球数をまとめていきたいと思います。

以上。