投球数から見るセリーグ

投球数からセリーグを見ていくブログです。

セリーグ・中継ぎ投球数(6・7月)

今回は6・7月のセリーグ中継ぎ投球数を集計し、まとめていきたいと思います。

下のグラフはセリーグ各球団の中継ぎ投球数を、合計投球数が多い順に並べたものです。

グラフの合計投球数の右にある週間平均は、週間平均投球数のことで、合計投球数に登板した週の分だけ割って導き出したものです。

例えば巨人の中川選手の場合

 232(合計投球数)÷  6(登板した週)=  38.666…(週間平均投球数)

となります。

巨人の澤村選手だと

 171球(合計投球数)÷  5(登板した週)=  34.2(週間平均投球数)

となります。

またセリーグ全中継ぎの合計投球数と週間平均投球数のランキングも、下に載せているのでそれもご覧ください。

 

 

・巨人

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 週間平均
中川 65球 49球 8球 23球 37球 50球 232球 38.6球
鍵谷 20球 53球 33球 45球 20球 34球 205球 34.1球
澤村 40球 29球 32球 36球 34球   171球 34.2球
高木 16球 49球 43球 31球 22球 8球 169球 28.1球
宮國 55球 11球 30球 21球 16球 35球 168球 28球
藤岡 39球 44球 20球 17球 15球   135球 27球
ビエイラ 25球   18球 68球 9球   120球 30球
大竹       41球 18球 51球 110球 36.6球
鍬原   17球 57球 35球     109球 36.3球
大江           88球 88球 88球
デラロサ 37球 42球 6球       85球 28.3球
高梨         17球 57球 74球 37球
堀岡     35球     30球 65球 32.5球
田中豊           51球 51球 51球
古川 28球           28球 28球

 

6・7月の巨人は、中川、鍵谷、澤村、高木、宮國、藤岡を中心とした中継ぎ運用となりました。

巨人はセリーグの他球団と比べてダントツに中継ぎの投球数を抑えることができました。

これは先発が長い回を投げる分、中継ぎの投球数を抑えることができたと考えるべきか、

それとも打線が良くて大差のゲームが多くなることで、中継ぎの登板数を分散し、投球数も抑えることができたと考えるべきなのか。

何がともあれセットアッパーやストッパーを担っていた中川選手でさえ、232球と少なく抑えることができていますし、

中継ぎ陣で単純な酷使による故障や成績悪化は見込めないという印象です。

 

故障というとデラロサ選手が7月5日の試合でアクシデント、そのまま登録抹消となってしまいましたが、

週間平均投球数を見てみると28.3球と少なめで、巨人首脳陣としては防ぎようのない事態だったのかなと思います。

高木選手にも故障がありました。

7月28日の登板を最後に投げていなく、股関節の違和感で登録抹消となっています。

この高木投手も投球数から見ると、別段酷使されているように見えません。

故障の理由とすれば登板数で、7月28日終了時で全31試合中17試合を登板しており、これが理由としては十分な気がします。

 

と、このブログの趣旨とは反する事態が起こってしまいましたが、私自身投球数だけですべてを説明できるとは考えていませんし、登板数であればヤフーやBaseball LABで確認できることだと思うので、

このブログではこれからも投球数を地道に追っていこうと考えています。

 

 

・横浜

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 週間平均
エスコバー   55球 64球 48球 53球 83球 303球 60.6球
パットン 44球 81球 38球 35球 31球 58球 287球 47.8球
山崎 35球 48球 29球 25球 49球 84球 270球 45球
三嶋 70球 25球 60球 31球 30球 48球 264球 44球
国吉 39球 81球 21球 19球 52球 37球 249球 41.5球
石田 36球 32球 22球 5球 11球 75球 181球 30.1球
平田 32球 13球 6球 35球 20球 16球 122球 20.3球
伊勢 41球 19球 28球       88球 29.3球
櫻井       67球     67球 67球
武藤 16球   17球 26球     59球 19.6球

 

6・7月の横浜は、エスコバー、パットン、山崎、三嶋、国吉、石田、平田を中心とした中継ぎ運用となりました。

先発陣とは打って変わって中継ぎ陣は固定して起用している印象。

そして何より中継ぎ陣の合計投球数が軒並み多い。

前回の投稿で、横浜首脳陣は先発にあまり投球数を投げさせない印象と書いたのですが、

先発に投げさせない分中継ぎに投球数がいってしまったのかなと感じています。

中でもエスコバー選手は合計投球数セリーグ3位、週間平均投球数セリーグ2位ですので、かなり酷使気味だと思います。

エスコバー選手は去年もかなり投げていた印象なのですが、けがに強い選手なのでしょうか。

横浜の中継ぎ陣は他球団に比べて投球数が多いので、故障や成績悪化にならないか少し心配な気がします。

 

 

阪神

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 週間平均
スアレス 17球 29球 24球 74球 55球 43球 242球 40.3球
岩崎 49球 35球 18球 54球 59球 13球 228球 38球
小川 61球 56球   23球 19球 48球 207球 41.4球
馬場   21球 17球 54球 53球 42球 187球 37.4球
能見 32球 61球   30球 16球 21球 160球 32球
藤川 35球 23球 14球 22球 20球 29球 143球 23.8球
伊藤   18球 12球 15球 45球 24球 114球 22.8球
望月   19球   20球 14球 49球 102球 25.2球
谷川 50球 29球         79球 39.5球
守屋 62球           62球 62球
ガンケル           44球 44球 44球
福永   16球         16球 16球
エドワーズ 14球           14球 14球

 

6・7月の阪神は、スアレス、岩崎、小川、馬場、能見、藤川、伊藤を中心とした中継ぎ運用となりました。

阪神は巨人同様に中継ぎの投球数を抑えることができました。

前回の投稿で、先発陣のうち西勇輝選手と藤浪選手には結構投げさせている印象を受けたのですが、

チームに1、2人多くの投球数を投げれるタフな先発がいるだけで、中継ぎ陣は楽になるのかもしれません。

同じく中継ぎの投球数を抑えることができている巨人も、菅野選手には結構投げさせていますし、

タフな先発が1人いるのといないのとでは大違いなのかもしれませんね。

 

阪神では岩崎選手が7月25日に怪我で登録抹消となりました。

岩崎選手は合計投球数、平均週間投球数ともに多い数字ではないので、長年の蓄積疲労によるものなのか。

今年はコロナもあり、選手の調整難しく、その影響での故障の可能性もあります。

故障にはそれぞれ理由があって、投球数だけでは語れないものが多いのだなと感じました。

 

 

・広島

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 週間平均
フランスア 27球 23球 40球 61球 50球 46球 247球 41.6球
菊池保 38球 18球 20球 26球 67球 59球 228球 38球
塹江 16球 48球 15球 57球 46球 38球 220球 36.6球
高橋 12球 53球 54球 61球 9球   189球 37.8球
DJ.ジョンソン       70球 80球 35球 185球 61.6球
薮田   38球 22球 23球 15球 87球 185球 37球
島内     28球 79球 33球 32球 172球 43球
ケムナ     31球 58球 26球 54球 169球 42.2球
一岡       12球 55球 66球 133球 44.3球
スコット 75球 13球     30球   118球 39.3球
中崎 38球 31球 33球       102球 34球
今村 34球 2球 19球       55球 18.3球
中村恭     23球       23球 23球
中田           17球 17球 17球

 

6・7月の広島はフランスア、菊池保、塹江、高橋、薮田を中心とした中継ぎ運用となりました。

この前の中継ぎ投球数の記事で、広島の中継ぎ運用はあまり上手くいっていない印象と書いたのですが、

6・7月全体で見ると巨人や阪神と並ぶほど、投球数を分散させることができていました。

広島も巨人や阪神同様に、先発陣で多くの球数を投げた選手がいました。

大瀬良選手は2完投、森下選手も多くの投球数を投げ、遠藤選手も1完投と、先発陣が踏ん張ったイメージ。

DJ.ジョンソン投手が週間投球数セリーグ1位を記録しましたが、実働期間が3週間ですし、来月の数値も見つつ、この起用がどうなのか考えていくつもりです。

 

 

・中日

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 週間平均
27球 69球 39球 51球 46球 70球 302球 50.3球
岡田 40球 41球 82球 41球 40球 43球 287球 47.8球
R.マルティネス 42球 44球 80球 31球 15球 55球 267球 44.5球
橋本 47球 36球 61球 47球 46球 25球 262球 43.6球
祖父江 65球 40球 38球 49球 11球 40球 243球 40.5球
ゴンサレス 34球 29球 47球 25球 27球 32球 194球 32.3球
佐藤       54球 73球 41球 168球 56球
鈴木 77球   29球 45球     151球 50.3球
藤嶋       66球 32球 18球 116球 38.6球
三ツ間   36球 33球 36球     105球 35球
谷元         26球 32球 58球 29球
又吉 35球 14球         49球 24.5球
山本         11球 25球 36球 18球

 

6・7月の中日は、福、岡田、R.マルティネス、橋本、祖父江、ゴンサレスを中心とした中継ぎ運用となりました。

中日の中継ぎ陣は、横浜と同様に中継ぎ陣がある程度固定されていて、なおかつそこそこ投球数投げさせている印象です。

前回の投稿で、中日は大野雄大や柳といったエース級の先発には、結構な投球数を投げさせていると書いたのですが、

巨人、阪神、広島と同様に考えると、先発が多く投げると中継ぎの投球数が少なくなるはずですが、中日はそうなっていない。

そこに中日の戦略が見えてくる気がします。

 

戦略としては、

・エース級の先発にはいけるところまで投げさせる。

・それ以外の先発が登板するときは、早い回から中継ぎを動員する。

・先発が打たれてビハインド展開になっても勝ちパターンを動員して勝ちを伺う。

このような戦略なのかなという気がします。

悪くいけば先発、中継ぎ共倒れの危険もありますが、今年は120試合だけですし、何とか耐えられるでしょうか。

この戦略で誤算なのが、この采配を行っても勝ちを拾えていないところ。

中日の打線が復活すれば、負けゲームをひっくり返すことが増え、勝ちも拾えるようになってくると思うのですが。

中日は打線次第な気がします。

 

 

・ヤクルト

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 週間平均
寺島 47球 68球 40球 32球 87球 51球 325球 54.1球
清水 44球 31球 46球 62球 59球 62球 304球 50.6球
梅野 44球 68球 47球 53球 34球 52球 298球 49.6球
石山 26球 59球 81球 34球 45球 50球 295球 49.1球
マクガフ 51球 49球 75球 30球 38球 27球 270球 45球
  57球 50球 7球 37球 90球 241球 48.2球
長谷川 44球 20球 40球 26球 50球 58球 238球 39.6球
中澤 14球 38球 20球 29球 32球 51球 184球 30.6球
近藤 22球 14球 58球 38球     132球 33球
坂本           70球 70球 70球
風張         44球   44球 44球
今野 31球           31球 31球
大下           25球 25球 25球
久保           21球 21球 21球
大西 12球           12球 12球

 

6・7月のヤクルトは、寺島、清水、梅野、石山、マクガフ、星、長谷川、中澤を中心とした中継ぎ運用となりました。

ヤクルトの中継ぎ運用は、横浜と中日と似ていて、中継ぎ投手の投球数多めです。

ヤクルトの全体的な投手の運用は、横浜にすごく似ていると思っています。

どちらのチームも先発にあまり投げさせない代わりに、中継ぎに投げさせている運用となっています。

これが吉と出るか凶と出るかはシーズン終盤まで観察していく所存です。

またヤクルトも横浜も防御率が低い中継ぎを、リードの場面や僅差の場面でも起用している印象があります。

ヤクルトではマクガフ選手や中澤選手、横浜ではパットン選手や山崎選手がそれにあたります。

どちらのチームもメジャー志向が強く、他のチームとは異なるチームの色が出てて面白いなと感じます。

 

6・7月の合計投球数セリーグ1位は寺島選手でした。

寺島選手は週間平均投球数でもセリーグ4位と少し酷使気味かなという気がします。

その寺島選手は7月27日に登録抹消されましたので、ヤクルト首脳陣も酷使気味という理解はあるのかもしれません。

しかしその一方で寺島選手、登録抹消以降ファームでの登板がないのが少し気がかりです。

もしかしたら怪我?か先発転向の準備なのかもしれませんね。

ヤクルトではもう1人、清水選手にも注目したいと思います。

清水選手は合計投球数セリーグ2位、週間平均投球数5位と、リーグ比較で酷使されています。

ヤクルトの投手運用の闇の部分かなという気がします。

ヤクルトの投手運用の光の部分は、先発陣がシーズン終盤にバテにくいこと。

シーズン終盤に先発がバテてイニングを投げれなくなってしまうと、結局中継ぎ総動員になってしまうということで、

ヤクルトの投手運用はそれを防ぐ効用あると思いますが、吉と出るか凶と出るか。

 

 

セリーグ中継ぎ投球数トップ5

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 週間平均
寺島(ヤ) 47球 68球 40球 32球 87球 51球 325球 54.1球
清水(ヤ) 44球 31球 46球 62球 59球 62球 304球 50.6球
エスコバー(横)   55球 64球 48球 53球 83球 303球 60.6球
福(中) 27球 69球 39球 51球 46球 70球 302球 50.3球
梅野(ヤ) 44球 68球 47球 53球 34球 52球 298球 49.6球

 

 

セリーグ中継ぎ週間平均投球数トップ5(合計投球数100球以上)

  6/19~6/25 6/26~7/2 7/3~7/9 7/10~7/16 7/17~7/23 7/24~7/31 合計 週間平均
DJ.ジョンソン(広)       70球 80球 35球 185球 61.6球
エスコバー(横)   55球 64球 48球 53球 83球 303球 60.6球
佐藤(中)       54球 73球 41球 168球 56球
寺島(ヤ) 47球 68球 40球 32球 87球 51球 325球 54.1球
清水(ヤ) 44球 31球 46球 62球 59球 62球 304球 50.6球

 

 

いかがだったでしょうか。

前回の投稿も合わせて考えると、セリーグ6球団で投手全体の運用のグループ分けができると考えています。

エース級先発に投げさせ中継ぎ温存グループ(巨人、阪神、広島)と、

中継ぎに投げさせエース級先発でも温存グループ(横浜、ヤクルト) 。

中日だけ独特で、エース級先発にも投げさせ中継ぎにも投げさせます。

まだまだシーズンは序盤ですし、これから各球団の戦略変わってくるかもしれませんが、6・7月を見る限りはこのような感じなのかなと考えています。

 

次回は週間の中継ぎ投球数をまとめていきたいと思います。

以上。